これまで、環境問題の1つであるプラスチックごみの対策に向けては、3R(Reduce、Reuse、Recycle)が呼びかけられてきました。
最近では、レジ袋やプラスチックストローを拒否(Refuse)することが注目されるなど、プラスチックを使う私たち皆の意識改革、社会の変革が必要になってきていると言われ始めています。
環境問題は、問題の本質に人間の利害や不確実性をはらむ、一筋縄では解決できない「厄介な問題(ウィキッド・プロブレム)」とも言われます。
プラスチックごみ問題を解決していくためには、材料や工学、環境などを対象とした狭い意味での科学の研究者だけではなく、市民や社会、また、人々の意識・行動や社会の構造などを対象とした社会学系の研究者などが、しっかりと協働していくことが求められています。
背景知識や思考法が異なる幅広い分野の研究者の間で議論し、さらには、知識や情報のバックグラウンドが異なる市民やNGOも交えて対話し、解決策の優先順位を付け、実行に移していくためには、どのような組織が必要でしょうか?
その際、各メンバーは、どのようなスキルが必要でしょうか?
また、どのような教育・訓練でそのようなスキルを身に付けられるのでしょうか?
少人数のグループでの対話を通じ、プラスチックごみ問題を1つの題材として、環境問題という「厄介な問題」の解決に向けて、多様な人々がどのように協働していけばよいのか、皆で一緒に考えてみましょう!
考えるためのヒントとして、五十嵐敏郎さん(マイクロプラスチック研究会 委員長)に「プラスチックごみ、マイクロプラスチック問題の解決に向けて -根本解決には学際、超学際、拡大超学際組織が必要」という題で話題提供してもらいます。
話題提供の後、少人数のグループに分かれて1時間ほど対話します。そして、対話する中で見つかった様々なアイデアを、最後にすべての参加者で共有します。得られたアイデアを元に、具体的な活動を日本版AAAS設立準備委員会や近日中にNPO法人申請予定のJAAS(日本科学振興協会)にて実施することを検討していきます。
どなたでもご参加いただけるオンラインのイベントです。日本の科学をもっと元気にするためにどうすればよいのか、対話を通じて皆で一緒に考えていきましょう!
開催日時
12月5日(日) 13:00~15:30
日本版AAAS設立準備委員会 意見交換会の趣旨
日本版AAAS設立準備委員会は、あらゆる人々の科学についての対話と協働によって、日本の科学をもっと元気にすることを目指し、分野、組織、職種・職階、国籍・民族、世代の垣根を超えて、誰でも参加できるコミュニティの形成を試みています。
日本に限らず、科学のことに関わらず、インターネットの発達によって私たちのコミュニケーションは必ずしも円滑にはならず、逆に軋轢が生じる様子も見られます。日本の科学を元気にするために、小さく閉じてしまいがちなコミュニティ同士を繋げ、あらゆる人々が協働していける大きなコミュニティを形成していくには、対話の方法を工夫する必要があります。
今年2月の設立時に46名だった本会の委員数は、2ヶ月で192名にまで増えました。大学や企業に所属する研究者だけでなく、学生、研究支援や科学コミュニケーション・ジャーナリズムに携わる人達、科学行政に携わる人達、小中高校や塾の教育関係者など、多様な人達で本会は構成されるようになりました。国籍や居住する国も、多様なものになっています。
日本版AAAS設立準備委員会は、NPO法人設立の準備だけでなく、あらゆる人々が科学について対話し協働していける新しいコミュニティを形成する会でもあります。192名での対話と協働を、会の中で日々、試行錯誤しています。
その範囲をさらに広げ、日本版AAAS設立に賛同いただいている方々や、まだ賛同いただいていない方々も含めて対話し、日本の科学をもっと元気にするためのアイデアを皆で見つけることが意見交換会の目的です。
ここで得られたアイデアを元に、具体的な活動を日本版AAAS設立準備委員会や近日中にNPO法人申請予定のJAAS(日本科学振興協会)にて実施していきます。
イベントの内容
- 全体説明
- 話題提供(約30分)
- 少人数での対話実施(約1時間)
- 各グループの対話で得られたアイデアの発表
◆話題提供者
五十嵐敏郎さん
所属:マテリアルライフ学会マイクロプラスチック研究会 委員長、ISO Expert 委員 (TC61/SC14/WG4, TC147/SC2/JWG1) など
◆話題
プラスチックごみ、マイクロプラスチック問題の解決に向けて -根本解決には学際、超学際、拡大超学際組織が必要
◆話題提供者より
マテリアルライフ学会が2019年に設立したマイクロプラスチック研究会の委員長として、また、関連するISOの2つのWGにExpert委員として議論に加わる中で、研究会の目標であるプラスチックごみがマイクロプラスチックまで微細化する機構の解明や分析法の開発では学際的な研究組織で対応できるが、究極の目標であるマイクロプラスチック、プラスチックごみを環境中に排出しない社会への提言では、超学際的な組織、あるいはそれを超えた組織が必要ではないかと考え始めています。そのような考えに至った経緯についてお話しします。
開催方法等
◆方式
Zoomミーティングにより、話題提供の後、ブレイクアウトルームにて少人数での対話の実施。各グループに委員1~2名が加わり、対話をお手伝いします。
◆定員
100名
◆参加方法
※ 上記申請フォームからお申し込みください。メールにてイベント前日に参加リンクをお送りいたします。
※ お申し込みが定員に達した時点で締め切らせていただきますことをご了承ください。
◆個人情報の取扱いについて
第2回意見交換会や第3回と同様に、開催の様子を撮影し、本会Webサイトに掲載する予定です。当日の撮影時にZoomのカメラをオフにしていただくか、後日連絡いただきましたら、お名前やお写真が掲載されないようにいたします。また、当日の様子は、テキストおよび動画として記録に残しますが、それらは委員会内での共有に留めます。本会Webサイトでの開催報告の際には、発言者が特定されないようにいたします。
その他、個人情報については、個人情報保護法および本会の個人情報保護方針に基づき、厳重に管理いたします。その他ご不明の点やご確認になりたいことがございましたら、下記個人情報保護管理者までお問い合わせください。
日本版AAAS設立準備委員会委員長 馬場基彰