賛同者とともに考え語るウェビナー「全米科学アカデミーとAAAS」開催報告

湯浅誠

日本版AAAS設立準備委員会のセミナーワーキンググループ(仮)委員の湯浅誠です。以前のブログとSNSでもお知らせしたように、若手研究者等が発起人となり2020年12月1日に日本版AAAS設立準備委員会(以下準備委員会)をβ版で立ち上げました。そして発足後間もない私達委員会の初イベントとなる賛同者限定公開ウェビナー「全米科学アカデミーとAAAS」を12月18日に開催しました。

準備委員会立ち上げにあたり1年前から有志で何度も議論を重ねてきまして、ようやく会を設立するまでに至ったのですが、この取り組みを応援していただける賛同者を募っている際に「日本版AAASの『AAAS』って何?」「皆さんは何をしたい組織なの?」「日本学術会議と何が違うの?」など、様々な質問をいただきました。新しい組織を作るので考えていなかった事、わからない事、伝わっていない事があると思いますが、それであれば私達の思いを直接賛同者の皆さんに伝える機会を作ろうとなり、このウェビナーを企画しました。

終始楽しそうに司会をする佐田さん

準備委員会ではいくつかのワーキンググループ(以下WG)を作り、各WGで活動を行っているのですが、外部向けセミナーを企画、運営するセミナーWGは早くから立ち上がり、リーダーの田中智之さんが音頭をとって内部向けの小規模な勉強会を行っていました。WGメンバーで議論をした際に「最初の外部セミナーでは、なにかと比較されやすい日本学術会議のような既存のアカデミー組織と日本版AAASの立ち位置の違いを、既に同様の組織が出来上がっている本家アメリカの例を取り上げて説明したら、準備委員会の活動の意義について理解が深まるのでは?」というアイディアが上がりました。そこで、いわゆるアカデミーに分類されている全米科学アカデミーと、私達が目指している科学の普及団体の例であるアメリカ科学振興協会(AAAS)の歴史と活動内容について説明することにしました。今回スピーカーを務めた春日匠さんはセミナーWGメンバーですので、「このトピックなら講師は春日さんしかいないでしょ!」と皆さん即断でした。

春日さんの講義

前半は講義、後半はパネルディスカッションが良いだろうと自然に話が進んでいったのですが、パネルで何をテーマにするか?を考えた時、「委員会メンバーがそれぞれ活動への思いの丈を述べたらどうだろう?誰もが実現したい事があってこの準備委員会に参加しているのだから、その気持ちを賛同者の皆さんに伝え、我々がどんな思いで何を実現しようとしていて、どんな組織になりたいのかを知ってもらうことが大切じゃないでしょうか?」と意見が出て、その流れで当日のパネルの方向性を決めました。「後は当日の流れで臨機応変にやってみよう、何とかなる!」ということで、司会は同じセミナーWGの佐田亜衣子さんが急遽行うことに。「パネルの司会やったことないので心配ですが、やってみます!」と二つ返事の快諾でした。こんな感じで、完全に手弁当で考えながら走るように運営している組織です(笑)。

講義内容については春日さんが後日レポートを書かれる予定ですのでそちらをご覧いただければと思いますが、パネルディスカッションでは私たちセミナーWGのメンバーが順番に活動への思いを語ったことを皮切りにして、ヴァーチャルで参加していたたくさんの他の準備委員会メンバーが次々パネルに参加し、それぞれの思いをコメントをしてました。後半は視聴していただいていた賛同者の方々もパネルに飛び入り参加して、会への期待や問題意識を共有していただく事ができました。皆さんにウェビナー開始から終了までZOOMでたくさんのコメントや質問をいただき、次から次へと思いに共鳴した新しい賛同者メンバーの皆さんが順番に画面に登場してコメントしていく様は今までのセミナーで見た事がなかったので非常に新鮮で、セミナーWGメンバー一同、多いに刺激を受けました。

委員・賛同者で記念撮影(その1)
委員・賛同者で記念撮影(その2)

今回のイベントを終えてリーダーの田中智之さんから「研究者は独創的であることに価値があるので、ひとつの目標に向けて力をあわせて…というのは苦手であったりしますが、今回のセミナー企画では、参加者の皆様の科学を盛り上げようというポジティブなエネルギーを感じました。次回もたくさんの方にお出でいただけるよう、魅力ある企画を立てたいです。」と、そして司会を務めた佐田亜衣子さんは「初めてのセミナー企画でしたが、たくさんの皆様のご参加と活発なご議論ありがとうございました。春日さんのセミナー、私も勉強になりました。パネルでは、メンバーの熱い思いを聞けたのがとてもよかった反面、それぞれの課題を掘り下げ、対話するまでには至らなかったので、次回以降またセミナーを企画していければと思います。」とコメントを寄せています。

私達の設立の中心的な理念であり、モットーである「対話」を実感でき、皆で作る、そして誰もが参加できる組織の空気を作り出せたと思えたイベントでした。当日ご参加いただいた皆様には改めてお礼を申し上げたいと思います。

ウェビナー後にもたくさんの方からアンケートへの回答をいただき、中には日本版AAAS設立準備委員会に対する期待を詳細レポートでいただいたり、多くの励ましのメッセージをいただきました。皆さんのコメントを一つ一つ読みながら、草の根的に完全なボトムアップでできる組織は日本のアカデミアではまだ珍しいこと、若手が中心で動いている会であることも皆さんから応援いただける理由なのだろうと思いました。

今後は対話型、参加型イベントをどんどん開催していきたいと考えています。そして応援していただける方、または実際に活動に参加していただける方を準備委員会は常に募集しています。皆で楽しい事をやってアカデミアを盛り上げたい、そしてアカデミア外の人々にも研究者を身近に感じてもらいたい、日本の研究を明るくしていきたい、そんな思いを持ったメンバーでセミナーWGを運営しています。私たちの活動に興味を持っていただける方は、どうかお気軽にcontact@jaas.groupまでご連絡ください。お待ちしています。

この記事を書いた人

日本版AAAS設立準備委員会

日本版AAAS設立準備委員会

設立準備委員会は、対話を通じた科学技術の振興を目指す有志によって運営されています。分野、組織、職種・職階、世代の垣根を超えて誰もが参加することができ、未来へ向けた自由闊達な意見・情報の交換が促進されるよう、運営の理念として「多様性の尊重」、「科学の尊重」、「民主的な運営」の3つの柱を掲げています。