JAASキックオフミーティング振り返りシリーズ、はじまりました!

皆さん、こんにちは。ブログ担当の佐伯です。早いもので、JAASキックオフミーティングが終わって2週間が経ちました。次なるイベント・活動に向けて、JAAS内でも活発な議論が行われています。JAASブログでは、キックオフミーティングのシンポジウムやワークショップ、ポスター発表などを振り返るシリーズをお届けしてまいります。

シリーズ第1回目は、学生ボランティアの一人としてイベントに参加された豊橋技術科学大学の宮嶋太陽さんから頂いた開会式のレポートを掲載します。イベント内容の紹介だけでなく、学生目線での感想にもご注目ください。

開会式

豊橋技術科学大学学生ボランティアの皆さんと小野悠代表理事、岩崎渉委員(左端が宮嶋太陽さん)

日本科学振興協会(JAAS) 第1回総会・キックオフミーティングが6月18日から24日まで開催されました。産官学民様々な方が集い、自由な対話が繰り広げられました。

開会式では、JAAS代表理事である馬場基彰さん(京都大学白眉センター)からの挨拶や、JAASの設立趣旨に賛同してくださった方々からの祝辞、ビデオメッセージなども披露されました。

馬場代表理事による挨拶

馬場さんは、今回のキックオフミーティングの意義について言及されました。

科学に対する思いは人それぞれであり、キックオフミーティングがその違いを認識する場となるように、という馬場さんのお話を伺い、私も違いを認識することの重要性を強く認識しました。そして、感じた違いを理解し、尊重する、この一連の対話が、日本の科学をもっと元気にするための一歩目となるのではないかと思いました。

祝辞を頂いた3名の方からは、JAAS立ち上げに対するお祝いの言葉とともに、共通して、「日本の科学をもっと元気に!」のスローガンへの共感と、大きな期待をお寄せいただきました。

明治大学特任教授の菱田さんは、ニュートン力学を例に挙げ、建築や土木、機械など、扱う領域によって言葉遣いが変わってくることもあるとし、尊重し合って議論していくことの重要性を指摘されました。菱田さんのお話を伺い、科学には共通の言語がなく、同じ領域の研究をしている研究者しか分かり合えない部分も多いのだと思いました。そういった意味でも、やはり対話が重要。対話によって、言葉は違っても同じ意味を指していたり、やり方は違っても同じ目的を持っていたりするということを理解していくことが大切であると感じました。

JAASの原山さんは、JAASの今後について、産官学民の様々な人が参画しやすい受け皿をつくることが課題だと指摘されました。菱田さんのお話とも繋がりますが、産官学民の連携のためにも、科学において共通言語をつくり、「通じない」を解消していくことが重要なのだと思いました。

また、衆議院議員の船田さんは、衆議院議員の立場から、研究環境や研究力の向上のために、研究の支援など研究者と行政の連携が重要になると指摘されました。これから参画する若い世代へのメッセージにも船田さんの熱い想いを感じました。

ビデオメッセージにおいても多くの方から、対話の重要性について指摘されました。

「あらゆる人に科学を開き、対話を通して日本の科学をもっと元気にする。」

「その受け皿としての基盤をJAASが構築する。」

日本の科学の今後への期待が垣間見えた開会式となりました。

開会式における小野代表理事と菱田さんの対話風景

今回のキックオフミーティングは、その日本の科学を『もっと』元気にするための第一歩となることでしょう。

対話の重要性

宮嶋さんの感想の他、開会式で皆様からいただいたメッセージからも「対話」という言葉が多く挙がりました。JAASが掲げている、職業や立場、様々な壁を超えた対話を重視する姿勢が開会式で確実に共有できたと思います。このことは、その後のキックオフミーティング全体において実行できていたように感じています。その様子はこれからのブログシリーズでもご覧いただけます。このブログが対話の種となり、また新たな対話が生まれていくことを願っております!

最後になりましたが、JAASキックオフミーティングの開会式では、本当にたくさんの方々からのご祝辞及びビデオメッセージでの激励のお言葉を賜りました。皆様のご期待に応えられるよう今後も活発に議論し、活動してまいります。

(文責:佐伯恵太)

【祝辞】(敬称略)
菱田公一(明治大学特任教授,日本学術会議副会長)
原山優子(日本科学振興協会(JAAS))
船田元(衆議院議員,自民党 科学技術基本問題小委員会)(代読)

【ビデオメッセージ】
阿形 清和(基礎生物学研究所 所長)
磯谷 桂介 (中部大学 副学長)
隠岐 さや香 (東京大学大学院教育学研究科)
杉野 剛 (日本学術振興会(JSPS)理事長)
豊田 長康 (鈴鹿医療科学大学 学長)
永田 恭介 (国立大学協会 会長,筑波大学 学長)
中辻 憲夫 (京都大学名誉教授、財団法人中辻創恵社)
永野 博 (政策研究大学院大学,米国科学振興協会(AAAS)フェロー)
橋本 和仁 (科学技術振興機構(JST)理事長)
桝 太一 (同志社大学 ハリス理化学研究所)
松尾 太加志 (公立大学協会 会長,北九州市立大学 学長)
三島 良直 (日本医療研究開発機構AMED理事長)
渡辺 美代子 (科学技術振興機構(JST)シニアフェロー)

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