サイエンストリガープログラム2026 レポート➀

2025年度に雪谷高校で実施した科学教室は、既にブログでご報告した通り、大変ご好評をいただきました。先生方、PTAの皆様、生徒たちから温かいお言葉を多数頂戴し、その結果として2026年度も継続して実施することが決まりました。

また、東京都教育委員会が定める理数研究校の会合にて雪谷高校様が本取り組みをご紹介くださったところ、他校からもご相談をいただき、今年度は複数の高校で実施する運びとなりました。

「科学振興」を組織名に掲げる日本科学振興協会(JAAS)として、こうしたご要望をいただけることは大変ありがたく、喜んで尽力してまいりたいと考えております。本記事を皮切りに、各校での実施の様子を随時ご報告してまいります。

企画概要

・趣旨:体験を通して、科学への興味関心を育み、理系科目の面白さに気づく時間を提供する
・開催頻度:約月1回
・実施場所:校内の理科室や近隣の施設
・講師:JAAS会員や協力いただける大学の先生/各回異なる講師にて実施
・内容:講師の専門かそれに近いところの内容で、かつ高校生が手を動かして楽しめる内容

東京都立雪谷高校第1回

<実施日時>
2026年5月23日(土)14:00~16:00

<タイトル>
エンジン模型を組み立ててみよう!
〜おまけ:日本の常識が通用しない、文化の違いを知る。エンジニアの海外エピソードトーク〜

<講師>
鷲巣雄洋(ワシズ タケヒロ) 先生
株式会社ヒューマン・インタラクション・リノベーション・オフィス 代表取締役(2023年11月〜)

◇略歴
・1973 年4月~2011年5月 ヤマハ発動機株式会社(自動車用エンジンの研究および開発) 
・2011 年6月~2012年6月 株式会社SIM-Drive(電気自動車用モーターの研究および開発) 
・2012 年5月~2013年6月 广西玉柴机器股份有限公司(自動車用エンジン開発改革) 
・2013 年10月〜2023年10月 エフ・イー・ヴイ・ジャパン株式会社(エンジン開発
エンジニアリングサービス) 
その他:JAAS 日本科学振興協会 会員/JSAE 自動車技術会 会員/AREEV エコエネルギーに
よる地域交通システム推進協会 メンバー/浜松市モビリティサービス推進コンソーシアム
事務局 メンバー

担当講師所感

~貴重なトリガー体験となった?~
実際は本物のエンジンの解体ショーをやりたかったのですが、そのためには特殊ツールが必要、エンジンの大きさ、重さなどハードルが高く、ツールは借りることも検討しましたが、難しく、模型での実施となりました。しかし、この模型はエンジンの基本的なパーツが全て本物に近い形で再現されていて、優れたものでした。このような模型があるというのを知ることができて私にも新鮮な驚きでした。
当初時間内で完成は難しいと思っていたのですが、30分ほど延長しましたが、生徒さん同士で教え合うなどの協力で、最終的にはほとんどのグループが完成できました。一部のグループは終了後も作業を続けて完成できてよかったです。

生徒さんはドライバーを使うのは初めて、模型を作るのは初めての方もおり、良い経験になったのではないかと思っています。会社で新入社員教育などの経験はあったのですが、高校の生徒さんに講義をするという始めの体験でしたが、生徒さんたちの熱心な様子を見て、楽しく講義をすることができました。そして、今後の私のトリガー体験にもなりました。

鷲巣雄洋


日本国内にとどまらず海外でもエンジニアとして車のエンジン開発に携わってこられた鷲巣さんに、2026年度初回の授業をお願いしました。

車やバイクなどの機械に心を躍らせる方は多い一方で、「自分には関係のない世界」と距離を置いてしまう方も少なくないかもしれません。
サイエンストリガープログラムは、何が誰の“トリガー”になるかはわからないからこそ、そのきっかけとなる時間をつくりたいと考えています。そこで今回は思い切って、車の“心臓”であるエンジンに焦点を当てました。

本当は、生徒たちに本物のエンジンを見てほしいと考え、実現に向けて奔走しましたが、残念ながらいくつかの壁にぶつかり、今回は「模型」での実施となりました。
とはいえ、ドライバーの扱いに苦戦する子、部品の多さに戸惑う子、得意な子が他のグループをサポートする姿など、ものづくりの楽しさが随所にあふれる時間となりました。

また、毎回さまざまな先生方が見学に来てくださるのですが、今回は特に、工業高校でのご経験が長い校長先生がいらっしゃり、見学だけでなく生徒と一緒にあれこれお話ししながら積極的に参加してくださいました。専門的な視点からのコメントに、生徒たちも興味津々の様子でした。

「楽しい」「面白い」「興味深い」といった感情が動く瞬間こそ、学びの原点だと思います。今後も、生徒たちがワクワクできる内容をお届けできるよう、しっかり準備を進めてまいります。
雪谷高校の先生方、PTAの皆様には、心より感謝申し上げます。

宮原聖子

ワークショップの様子

文責者:宮原聖子
※写真は、被撮影者の許可をいただいた上で掲載しております。