アメリカと比較して見えてくる課題 JAASキックオフミーティング振り返りシリーズ第6弾 

みなさんこんにちは! ブログ担当の鈴木です。

8月に入り、暑い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
学生の方は夏休みの真っ最中かと思います。
現在JAASでは夏休み企画を開催中ですので、お時間ある方はぜひご参加ください!

さて、本日は、キックオフミーティング2日目の基調講演「日本のライフ系サイエンスを元気にするには 〜アメリカと日本で研究室を主宰した経験から〜」のレポートをお届けします。
執筆してくださったのは、学生ボランティアとしてキックオフミーティングに参加された、横浜市立大学の印南麻央さんです。

アメリカと日本、どちらの環境でもライフ系サイエンスの第一線を走ってきた先生の目に、日本の研究環境はどのように映っているのでしょうか。

基調講演 「日本のライフ系サイエンスを元気にするには 〜アメリカと日本で研究室を主宰した経験から〜」(執筆:印南麻央)

私は、2022年6月19日に開催されたJAAS(日本科学振興協会)の第1回総会・キックオフミーティングに参加いたしました。
今回は、柳沢正史先生(筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 機構長・教授、テキサス大学サウスウェスタン医学センター 客員教授)の基調講演の参加レポートを寄稿いたします。

基調講演では、先生のこれまでのキャリアのほか、先生の研究内容、日本とアメリカでラボを立ち上げた経験からみた日本とアメリカの研究環境の比較などについてお話しいただきました。

柳沢先生は長年にわたり「睡眠」をテーマにした研究をされています。
「睡眠」は神経系を持つ動物すべてで見られ、種の系統が近い動物は睡眠時間も近いという共通点を持ちます。このように根源的なものであるにも関わらず、睡眠と覚醒をコントロールするメカニズムはわかっていなかったそうです。

後半は、日本とアメリカの研究環境の違いについてお話ししていただきました。
アメリカでは研究者が研究のみに集中できる、継続的な研究支援体制が充実しているのに対して、日本では一過性の研究費支援が多く、研究費の使途も細かく決められているという現状があるといったお話でした。
私は今まで、ただ漠然と「研究の環境は海外のほうがいいのかな」と思っていましたが、今回の講演を聞いて日本の基礎研究をとりまく課題について少し理解が深まり、国を挙げて研究者や博士課程学生が長期的に研究を続けていけるような支援体制に変えていく必要があるのではないかと感じました。

今回このようなイベントに参加して、日本の研究をより発展させていくにはどうしたらよいか、また、現在科学の分野でどのような研究が行われているか、多彩なポスター発表や講演を通じて考える機会をいただくことができました。
ありがとうございました。

ブログ担当より

先生が長年携わってこられた睡眠に関する研究のお話に加えて、日本の研究環境の問題点についてもお話しいただき、非常に盛りだくさんな講演となりました。
印南さんのように、この講演で日本の研究環境の課題をより具体的に認識することができた方は多いのではないかと思います。

柳沢先生には、基調講演のあとパネルディスカッションにもご参加いただき、日本の研究環境を改善するにはどうしたらよいかについて、これまでのご経験をもとにたくさんのご意見をいただきました。
柳沢先生、ありがとうございました!

(文責:鈴木 遼)

この記事を書いた人